自己破産
自己破産は、債務者が支払不能に陥った場合に債務者の財産(生活に欠くことができない家具等の財産を除く)を債権者に対して適正、公平に清算するとともに非免責債権を除き借金をゼロにし、債務者に再スタートの機会を与える手続きです。
ご相談に来られる方で自己破産手続きだけは避けたいとおっしゃる方がいます。しかし、他の債務整理手続きと比べて自己破産手続きは皆様が考える程生活に影響を与えるものではありません。司法書士等の専門家が自己破産手続きを勧めたのにもかかわらず無理な返済計画を組んだ任意整理手続きの方が生活により大きな影響を与えます。
自己破産手続きの誤解
自己破産手続きをすると戸籍に記載される、選挙権がなくなるといったことはなく、基本的に勤務先の会社にこの事実が知られることもありません。
免責不許可事由(ギャンブルによる借入等)がある場合でも裁量免責といって免責許可決定が得られる場合がありますので、免責不許可事由があるから自己破産手続きが選択できないということではありません。
自己破産手続きの一般的な流れ(同時廃止の場合)
- 1.自己破産手続きの受任
- 2.受任通知送付(債権者に到着後に取立てがなくなる)
- 3.取引履歴及び債権調査票受領(利息制限法による引直計算)
- 4.破産申立てに必要な書類の収集
- 5.司法書士が書類を作成し管轄の地方裁判所に申立て
- 6.裁判官による審尋(ない場合もある)
- 7.破産手続き開始決定、同時廃止決定
- 8.裁判官による審尋(ない場合もある)
- 9.免責許可決定
- 10.許可決定確定
※自己破産手続きにおいても利息制限法による引直計算の結果、過払金があれば過払金返還の和解交渉または過払金返還訴訟をいたします。
自己破産手続きの報酬の目安(消費税抜)
- 債権者5社まで21万円(予納金及び印紙代別途)
債権者6社から1社につき5,000円加算
- 過払金返還請求については現実に取戻した額の20%
※訴訟になった場合には別途印紙代等の実費及び訴訟着手金として2万円をいただきます。
- 3~8回の分割払い可能
自己破産手続きのメリット
- 多額の借金(非免責債権を除く)が免責許可決定の確定によりゼロになる。
- 利息制限法による引直計算をするため過払金が発生していれば、司法書士への報酬や生活費等に使用することができる。
自己破産手続きのデメリット
- 事故情報として信用情報機関に記録される(ブラックリストにのる)ため約5年から7年は新規の借入及びカードの発行が難しくなる。
- 生活に欠くことができない家具等以外の財産は原則処分することになる。
- 保険外交員や証券外交員など、他人の財産を預かり、または管理する業務を一定の資格の下に行っている場合は破産手続き開始決定により業務が制限される。(免責許可決定の確定と同時に復権する)
- 官報に掲載される。(一般の人が目にすることは少ない)